動いてほしいのは「今」なのに! 〜お願いと葛藤の間で〜

こんにちは。Kaziプロジェクトの二戸です。ようやく暑さも和らいできましたね。朝と夜の寒暖差は身体に負担がかかるので、季節の変わり目は特に体調管理に気をつけたいものです。

さて、今回は、先日のセミナーの際、参加者の方々から多くの共感を集めていた内容をもとに書いてみたいと思います。

その内容というのが、「(妻側の視点から)家事または育児でなにかしらの行為を夫に頼んだとき、すぐに動いてほしい」というもの。

特定の家事をやってくれるのはもちろん助かるが、それ以上に、言ったときにすぐに動いてくれるのが一番助かる、という声が非常に共感を集めていました。

正直、自分の立場で考えてみても、ドキッとする状況がすぐに浮かんできました。スマホをいじっているとき、妻からなにか頼まれ、その場で一応返事はするものの、すぐには動かない。そのような事は僕も思い当たる節が多々あります…。

では、この状況を解決するにはどうしたらよいのか?もちろん、「言われたらすぐに行動すること」です。それがWin‐Winな状態になる手っ取り早い方法でしょう。

ただ、そう簡単にいかない場面が多いからこそ、多くの人の共感を集めているんですよね。お願いする側・される側の些細な態度ひとつが、非常に重要なポイントを占めているのではないかと思います。

気持ちよく頼む。あるいは、気持ちよく頼まれる。単純なようにみえて、気持ちに余裕がなくなってくると難しいことです。

解決方法はわかったうえで、お互いの心情を丁寧に観察してみましょう。

お願いする側の心情

朝の忙しい時間に「ゴミ出ししてくれる?」とお願いした時、「あとでね」と言われたときのもモヤモヤ感。

今料理で手が離せないから、今のうちに洗濯物取り込んでくれる?とお願いした時、スマホをイジりながら「うん、あとでね」と言われたときのモヤモヤ感。

お願いする側の心情としては、相手は今忙しそうにしていない、あるいは、自分がお願いしたい行為を遂行できる状態にある(ように見える)からこそ、お願いしているわけです。

仮に相手が目の前で忙しそうにしており、修羅場のような状態であれば、お願いするのも躊躇するかもしれません。

また、お願いしている行為を自分が「今遂行する」のは難しいからこそ、相手にお願いしているということ。つまり、自分は「今」できないけれど、もう少し時間が経てばできる可能性はある。とはいえ、やってほしいのは「今」であって、「後でではない」というのがポイントです。

お願いされる側の心情

お願いは確かに引き受けるものの、「今」やる必要性を感じない。あるいは、もう少し時間が経ってからのほうが、”自分にとって”キリがいい、という心情が考えられます。

もしくは、相手からは忙しそうに見えてないだけであって、本当はめちゃくちゃ忙しい状態にあるという可能性もあります。ただし、その場合、すぐに今はお願いを引き受けられる状態には無いと主張する必要はあるでしょう。

お願いする側とされる側のギャップ

お願いする側は「今」やってほしいし、相手が「今」できると見込んで頼んでいる。しかし、お願いされる側は、「今」やる必要性を感じていないか、もしくは、本当に「今」はできない状態にあるか。

そのようなギャップが原因となり、お願いしても「今動いてくれない」のなら、後で自分でやる、あるいは、お願い自体を敬遠するようになってしまいます。

ギャップを埋めるのは、対話

「言われたらすぐ動く」という単純な解決方法は理解できるものの、それが実行されない背景には、互いの心情のギャップが言葉として共有されていない、という原因が考えられます。

当団体ではセミナーや発信を通じて「対話の重要性」を強調して伝えてきましたし、今後も変わらず伝えていくつもりです。強調しても強調しすぎることはないほどに、重要だと考えているからです。

お互いが思っていることを、伝え、話しあうこと。非常にシンプルではありますが、そのシンプルな言葉のやり取りが、夫婦間の心情のギャップを埋めてくれるのだと思います。

まとめ

今回はお願いする側・される側の心情のギャップを観察してみました。僕自身、自分の行動をふりかえるきっかけになりました。とはいえ、お願いされたことを自分の心情を押し殺し、無機質にこなすことだけが「正しい」とは限りません。今は本当にできないとか、苦しいという場合はそれを伝えることも非常に重要です。

大事なのは、「やってくれるか/くれないか」ではなく、お互いが何を感じているのかを知ろうとする姿勢。その小さな対話が積み重なって、家庭の雰囲気はずっと心地よいものになっていくのだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人

kaziproject