家事は「気づかれない贈り物」 〜誰があなたの日常を支えている?〜

こんにちは。Kaziプロジェクトの二戸です。

新年がスタートしたと思ったら、早くも2月中盤ですね。年度末という区切りに向けて忙しい毎日をお過ごしの方もいるかもしれません。少しずつ気温も高くなってきていますが、まだ寒い日が続くので、体調に気を付けつつ過ごしたいものです。

さて、今回は「家事と贈り物」というテーマで書いてみました。「贈り物」というのは、いわゆる「贈与(プレゼント)」をイメージしてもらえるといいかもしれません。

「贈与」をテーマにしようと思ったきっかけは、教育者・哲学者である近内悠太さんという方の著書「世界は贈与でできている」を読んでいて思いつきました。

本の詳細については触れませんが、贈与という言葉から連想される様々なイメージがガラッと変わるような、非常に面白い内容でした。

そして、「家事」という行為も「贈与」として捉えてみたら面白いかも?というのが、今回の内容です。なんだか小難しそうな話に聞こえますが、身構えずライトに読んでいただけたらと思います。

では、さっそく考えてみましょう!

家事は「気づかれない贈り物」?

最初にこんな場面をイメージしてみましょう。家のトイレは「いつも何不自由なく」使えます。水も問題なく流れるし、トイレットペーパーだってつねに補充されている。

一方で、公共のトイレを使っていたとき、たまたま、本当にたまたま、トイレットペーパーがあと少しで切れそうになっていて、非常に不安な気持ちになったと仮定します。

さて、家のトイレを常に何不自由なく「使えている」のは、当たり前のことでしょうか?…おそらく、「当たり前」ではないですよね。

具体的に言うならば、トイレットペーパーを補充してくれた「誰か」がいるということです。

ただ、常にトイレットペーパーが「あるのが当たり前」と考えてしまうと、「無い状態」を自然と想像しなくなり、補充してくれている「誰か」を忘れてしまいがちです。

「いつも当たり前に暮らせている」というのは、言い換えると、「誰かが当たり前を維持してくれている」とも言えるわけです。近内悠太さんの著書になぞらえて考えてみると、「家事は気づかれない贈与である」と、捉えることもできそうです。

また、そのような「気づかれない当たり前を維持している人々」のことを、本の中で「称賛されない英雄=アンサング・ヒーロー」という呼び方で紹介されています。

気づく→感謝→贈与のループをつなぐ

トイレットペーパーは一例に過ぎませんが、当たり前に暮らすことができているのは、そこに「当たり前を維持してくれている誰か」がいるわけで、その「誰か」に気づく想像力が重要となります。

そして、家族であれば、その「誰か」を容易に想像もできますよね。もしかしたらパパ or ママが補充してくれたのかも?みたいに。

その「誰か」に気づいたとき、当たり前の状態がどれだけ有り難いことなのかを、感じることもできるわけです。

そのような感謝の気持ちが湧いてくるのは、「家事=贈与(プレゼント)」だからかもしれません。目に見える形であれ、目に見えづらい形であれ、「何かを受け取っている」ということが言えます。

そして、湧いてきた感謝の気持ちは、今度は「自らが贈与する側」として、家族に対して何かしたくなる原動力にもなります。そうやって、感謝と贈与はつながっていくわけです。

毎日毎日、夕飯を作ってくれてありがたいなあと感じる。なら、自分は料理は不得意だけれど、お風呂掃除は得意だから、一生懸命にやろうと思えるように。

当たり前ですが、毎日ご飯を食べられることも、清潔な服を着れることも、温かいお風呂に入れることも、心地よい布団で寝れることも当たり前ではないわけです。

まずは「気づく」ところから

すこし小難しく聞こえたかもしれませんが、簡単にまとめれば、いつもどおりに過ごせているのは、当たり前を維持してくれている「誰か」がいるからであり、その「誰か」に対して感謝しつつ、自分もその「誰か」として、他者(家族)に対してできること・したいことをやりましょう、ということです。

当たり前に過ごせる日常=「贈与」として捉えることができたとき、おそらくは、なにかお返ししたくなる気持ちが自然と湧いてくると思います。

トイレットペーパーの補充や、ゴミ取りネットの交換のような細かな家事はどうしても気づきづらく・目に見えづらいものです。

だからこそ、あ、これはきっとパパ or ママ交換してくれたんだな、と「気づく」ことからはじまり、そこから贈与の連鎖が続いていくことで、「当たり前の生活」が維持されるのかなと思います。

もちろん、気づいたときは感謝の気持ちとして「ありがとう」を言葉にして伝えることも非常に重要ですし、一つの「贈与」でもありますね!

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人

kaziproject