男性育休推進プロジェクト
宮城県
男性従業員
名前:K.R
年齢:39歳
入社年数:15年目
部署(担当など):保健福祉部健康推進課(受動喫煙対策、歯科保健担当)
家族構成:妻、夫、長女(7歳 小学生)、次女(5歳 保育園年長)、長男(2歳)
男性育休を取得しようと思ったきっかけ
私は、育児休業を2回取得しています。
1回目は1人目の子どもが生まれたときです。その時は、妻が早めの職場復帰を希望していたこともあり、育休取得を決意しました。
2回目は3人目の子どもが生まれたときです。この時は、計2回育休を取りました。生後間もない子どもの育児だけでも大変な状況ですが、並行して、当時保育園に通園していた姉2人の面倒も見ることの大変さを、1人目のときに育休を取得したことで、経験的に分かっていたため、女性の産後休暇にあたる期間に育休を取りました。
取得の目的
1回目の育休取得の目的は、妻の早めの職場復帰を応援するために取得しました。2回目の育休取得の目的は、妻の育児負担軽減のために取得しました。
取得方法と期間
1回目は、子どもが生まれて約3ヶ月が経過した平成28年9月から平成29年4月まで8か月育児休業を取得しました。
2回目は、子どもが生まれてすぐに令和3年7月から令和3年8月の2か月間取得し、その後間を空けて、令和4年2月から令和4年5月の4か月間取得しており、合計で6か月育児休業を取得しました。
育休中の過ごし方(育休中の行動、1日のスケジュールなど)
1回目の育休は、子どもが生後3か月から育休を取得していたため、初めは育児と家事で1日が終わりました。離乳食が進むと、多少時間に余裕が出てきたので、外に出かけたりするなど気分転換も図っていました。
2回目の育休は、2回取得し、初めは妻と一緒に生まれた子どもの育児をしていました。また、妻が姉2人との時間も持てるように、家事や育児を協力して分担しました。妻の職場復帰と交代で育休を取得した時は、育児・家事・保育園送迎とすることはたくさんありましたが、育休取得の経験がいき、心に余裕をもって過ごすことができたと思います。
取得して良かったこと、気づいたこと、感想など(仕事、家庭)
子どもの成長の過程を実際に経験したため、日々できることが増えていくことに一番早く気づけたこと。楽しいことだけではなく育児の大変さや苦労もわかるので、業務上、小さな子どもがいる家庭から相談等を受けたときに、子育ての楽しさや苦労を共有しながら、より対象の方の気持ちを考えて職務にあたることができました。
また、育児か家事かどちらかかのような役割分担をするのではなく、自然と家事も育児も一緒にできる雰囲気、環境ができたと思います。
取得に向けて・育休中・復帰後 それぞれの場面での不安や課題(仕事、家庭)、それらに対して見直したことや工夫したこと、その変化(成果)
【取得に向けて】
〈不安や課題〉
育休取得で不在時の事業スケジュールをどのように作成するか、育休取得した後の業務をどの程度残すかなどの調整に悩みました。
〈見直したこと〉
業務に優先度や重要度を設定して業務等の振り分けを行い、次年度行事予定等を立てました。 自分が育児休業中に業務を担当してもらう予定の同僚と一緒に会議への出席や事業等に参加してもらうことで、業務の流れを覚えてもらったり、相手方との顔つなぎ等を行いました。
〈成果、変化〉
育休取得に向けて、徐々に業務割合を変化させ、主担当として取り組む必要がある業務に注力することができ、計画していた業務を遂行できました。 同僚にお願いをした業務に関しても、関係者とのつなぎを事前にしておくことで、スムーズな業務担当の移行ができました。
【育休中】
〈不安や課題〉
1回目の育児休業取得時は、1人目ということもあり、右も左もわからず、手探り状態で育児をしていました。このため、うまくいかないことも多かったので、少しだけ自信を無くしました。
〈見直したこと〉
どのくらいの間隔でおむつ交換やミルクを訴えるのか大まかな時間を把握するようにし、時間を見ながら、余裕をもって準備等を行うようにしました。
【復帰後】
〈不安や課題〉
1回目の育児休業取得時は、職場復帰後が別部署になったため、新しく業務を覚えることや新しいメンバーとのコミュニケーションがうまく取れるかなどの不安がありました。また、育児時間を取得して勤務時間を短縮したり、子どもの急病で休むこともあったため、同僚への負担増になっているのではないかという不安がありました。
〈見直したこと〉
帰宅時間から逆算して、日々のスケジュールや業務内容を考えました。
書類やファイル名を見ただけで、どの業務か分かるようにしたこと、ファイル等の場所も同僚らと共有しました。 業務内容も同僚らと随時経過報告等をして共有することで、急な休みの時に問い合わせがあっても対応できるようにしました。
〈成果、変化〉
デスクやファイルの整理整頓に繋がり、仕事に集中できる環境が作られ、業務効率が上がりました。急な休みの時に、担当業務の内容に関して問い合わせがあっても、事前に業務内容等を共有していたため、時間がかかることがなく、スムーズに対応ができました。
育休取得をきっかけに「働き方」と「家事育児分担」に変化はあったか
働き方に関しては、締切ギリギリではなく、少しでも余裕をもって資料等を完成させるように意識するようになりました。
家事育児分担に特に変化はなかったと思います。家事に関しては、マイレシピが増えました。また、3人目のときは離乳食のレシピのバリエーションも増え、彩りなども意識して作るなど、心に余裕をもって育児ができました。
男性の育休取得率や質を上げるにはどうしたら良いか
上司や同僚から育児休業取得への背中を押してもらえることが大事だと感じます。
宮城県内に勤務し、育休取得を検討している男性へのメッセージ
最初はなかなか思ったとおりできず、自信を無くすこともありますが、毎日子どもの成長段階での色々な「できた!」を最初に経験することができ、充実した日々を送ることができます。また、子どもと一緒に人間的に成長できる機会です。
家庭(妻)
取得前に準備したこと、話し合ったこと(ご夫婦に質問)
【夫】
職場復帰の時期や復帰後にどのような勤務体系をとるか、保育園送迎等の分担をどのようにするかなど話し合いました。
【妻】
産休前の仕事を出産後も続けたかったため、その想い、復帰希望時期と理由を夫と職場に伝えました。夫とは、大まかな役割分担と急な子の体調不良時等の対応を決め、普段は難しい場所の掃除をお願いしました。夫の育休中は、離乳食を進める時期だったので、夫が自分で選んだ離乳食の本を準備していましたね。
準備・話し合いをしておけば良かったこと(ご夫婦に質問)
【夫】
特にありません。
【妻】
その都度話し合いをしていたので、特にありません。
夫の育休取得に向けて・育休中・復帰後それぞれの場面での不安や課題、それらに対して見直したことや工夫したこと、その変化(成果)
スケジュール管理アプリを夫婦でダウンロードし、お互いの仕事、子どもの健診、予防接種、習い事等を登録し共有しています。相手が仕事をどうしても休めない日が分かるので、子の急な発熱で看護が必要な時も、揉めることは(あまり)ありません。
夫の育休取得で良かったこと、気づいたこと、感想など
子の成長の喜び、そして育児の大変さ、仕事との両立の難しさを一番共有できるのは夫で、かけがえのない存在です。育休を取ることで、お互いに同じ事を経験できたからだと思います。
子ども達もパパ大好き。長女、長男はパパに後追いしていましたよ…?!
男性の育休取得率や質を上げるにはどうしたら良いか
職場では男性が育休を取るのが当たり前の雰囲気、女性ではパートナーを信じてお任せする気持ち、男性では主体性が必要ではないでしょうか。
夫の育休取得を検討している女性へのメッセージ
同時に取るのも良いですが、パパと子だけの育休期間をオススメします。夫に頼る心意気と、かわいい我が子と少し早く離れる勇気を出して、復職を早めてみてはいかがでしょう。
また、育児は誰もが初めての経験です。初めからすべてを完璧にこなせる人はいませんし、誰かと比較するものでもありません。いろいろと試行錯誤しながら、自分なりの育児のリズムを作っていくと思いますので、やり方などを非難したり、役割を奪ったりせず、一度任せると決めたら、しっかりと見守ってあげてください。(ただし、子どもがけがをする可能性があったり、命の危険があったりする場合は、すぐに話し合いましょう)