アクション名
男性育休推進プロジェクト
株式会社アステム
男性従業員
名 前:杉山 元紀(すぎやま げんき)
年 齢:29歳
入社年数:2年目(2023年6月時点で、1年8ヶ月)
部 署:技術課
家族構成:妻、長女、次女
男性育休を取得しようと思ったきっかけ
私は、関東から宮城県に移住してきました。
妻や子どもが体調を崩した際や万が一の時に、周囲に頼れる環境ではなかったため、夫婦で協力して育児をしたく育休を取得しました。
取得の目的
育児・家事・妻の再就職サポートと生まれてくる次女の成長をそばで見守りたい。また、次女が生まれてからしばらくは、妻が次女の育児で忙しくなり、長女が1人になる時間が増えてしまうと思ったので、寂しい思いをさせないためにもそばにいてあげたいと思い育休を取得しました。
取得方法と期間
次女が生まれてすぐに約4ヶ月、また、妻の再就職前に3週間の育休を取得しました。
育休中の過ごし方(育休中の行動、1日のスケジュールなど)
妻は次女の育児でつきっきりのため、主に家事全般を私が担当していました。
また、長女が寂しがらないように一緒に買い物に行ったり、散歩したり、公園で遊んだりしていました。
その他、家族が増えるに伴って家計の負担も大きくなるため、育休中に現状の家計の把握と固定費(保険料や携帯料金・サブスクリプションなど)の見直しおよび削減を行いました。
取得して良かったこと、気づいたこと、感想など(仕事、家庭)
家事は大変でしたが、家事で行ったことが直接家族の健康に繋がることを実感したため、なるべく手を抜かないよう料理や洗濯、掃除に励みました。
また、子どもたちと触れ合う時間をたくさん作れたことにより、成長をそばで見守ることができました。
私個人としては、生活リズムの見直しを行うことができ、決まった時間に食事を摂り就寝することで、身体が健康になった気がしました。
取得に向けて・育休中・復帰後 それぞれの場面での不安や課題(仕事、家庭)、それらに対して見直したことや工夫したこと、その変化(成果)
次女が生まれてからは、私生活と仕事の両立ができるのか不安がありました。育休取得について上司に相談したところ、「仕事のことは私たちに任せて育児頑張りな!」と背中を押してもらえたことで、家事・育児に専念することができました。
抱えていた業務ついては、次女が予定日より1ヶ月ほど早く生まれたため、完璧に引継ぎをすることができませんでした。ですが、事前に課内で業務を共有し、ある程度の引継ぎを行っていたことで、支障をきたすことなく業務を遂行していただくことができました。
育休取得後の最初の3ヶ月は家事・育児に奮闘して気にしていませんでしたが、4ヶ月目に入ると、こんなにも長い期間仕事から離れたことがなかったので、職場復帰後に育休前と同じように業務を遂行できるか不安になっていました。また、家事・育児の同じことを繰り返し行う日々が続いたので、考えることが少なくなり、物忘れをしてしまうようになりました(笑)
このままでは職場復帰できないと感じたので、物忘れ防止として考えた対策が家計の見直しです。現状を把握し、改善できないか保険の資料や家計改善のための参考書を読むことで考える時間を増やし、職場復帰のための訓練も兼ねて実施しました。
育休取得をきっかけに「働き方」と「家事育児分担」に変化はあったか
育休を通して、家事・育児を両立することの大変さを改めて実感したため、職場復帰後は、 妻に家事を任せきりにさせないように仕事を計画的に進め、なるべく早く帰るよう努力しています。
男性の育休取得率や質を上げるにはどうしたら良いか
育休を開始してから給付金を受給するまでの期間が短縮されることで、金銭面での不安が減り、育休取得率の向上に繋がるのではないかと感じました。
また、職場全体が育休取得を前向きに考え、取得者を励ましてくれる環境づくりが必要です。
「もしかしたら自分が育休などの長期休業を取得して周りに頼ることになるかもしれない、その時に周りの社員が休業に対して嫌な顔をしていると休みづらいな」と自分が同じ立場になった時を想像して、思いやりを持つことが大切だと考えます。
宮城県内に勤務し、育休取得を検討している男性へのメッセージ
今回、私は育休を取得しないと次女が生まれてからの生活が成立しませんでした。周囲の目や育児は女性がするなどの固定観念を気にすることなく、育休に対する目的を上司にしっかりと伝えて取得しました。
自分はなぜ育休を取得したいのか、目的を「事前」に、より「具体的」に、「奥さんと相談して決める」ことで、自分の意思を固めることができ、会社側にも自信を持って伝えることができると思います。
また、「育休ってどんな制度なのかな」と1人で悩まず、上司や担当部署、育休取得に力を貸してくれる団体に相談してみるのも1つの手段だと思います。1人で考えて見つけ出すよりもずっと早く答えが見つかるはずです。生まれてくる赤ちゃんは待ってはくれません。思い立ったらすぐに行動あるのみです!
会社
名前:佐藤 純奈(さとう じゅんな)
部署:総務課
取得に向けて・育休中・復帰後それぞれの場面での不安や課題、それらに対して見直したことや工夫したこと、その変化(成果)
育休を取得しやすい環境づくりとして、はじめに代表取締役の野口から「会社も全力で育休を取得する社員をサポートします」と全社員へ向けて宣言しました。
職場全体では、育休取得中、復帰後の短時間勤務、突発的な休暇にもサポートができるよう、「わかりやすい作業工程づくり*」を進め応受援がしやすい環境づくりに努めています。
これまで育休を取得した男性社員がいなかったことに対し、2022年4月の育児休業法改正後、このような取り組みによって現在の男性育休取得率は100%です。
【*わかりやすい作業工程づくりとは】
弊社では製品、サイズによって金具の取り付け位置や加工方法が変わります。
製作指示伝票のQRコードを読み取ることで必要な情報が表示され、誰でも作業をすることができます。
育休・産後パパ育休等に関する研修の実施、相談体制の整備、自社の育休取得の事例提供、制度と育休取得促進に関する方針の周知について、どのように対応したか
男性社員の育休取得に関して、トップが「会社も全力でサポートする」旨を宣言することで、全社員へ理解を広めました。
その後、役職者を対象とした育休に関する研修を実施し、社員への理解を深めています。 また、総務課が相談窓口となり、社員の育休取得のサポートができるよう、制度の知識習得に努めています。
育休取得を検討している男性社員へのメッセージ
【社長からのメッセージ】
男性社員の育児休暇取得の必要性についてその昔は、男性と女性の役割分担が明確に分かれていました。
しかし、現代では夫婦共に働き平等に家事、育児を負担していく時代となってきました。
世界的に見ても日本における夫の家事、育児の負担は少なく、妻にかかる比重が多くなっています。
企業の中でも育児休暇を取得する事への理解が追いついていない側面もあります。
そこで、弊社は夫婦分担で明るく良好な家庭を築いてもらう為にも男性社員に積極的に育児休業を取得するように働きかけていきます。
出産も育児も個々の家庭の問題ではなく、大袈裟に言えば全社員で協力していくと言う気持ちが重要だと考えています。
その事が社員の幸福度に寄与する事は疑う余地はありません。
会社も全力でバックアップしていきます。
家庭(妻)
準備・話し合いをしておけば良かったこと
次女が生まれる前は、夫が育休をいつから取得できるか分からず、出産直前、直後の長女の面倒を誰が見るのか、不安がありました。
出産直前、直後のお互いの生活について、事前にもう少し話し合っておけば良かったなと思いました。
夫の育休取得に向けて・育休中・復帰後それぞれの場面での不安や課題、それらに対して見直したことや工夫したこと、その変化(成果)
給付金がいつ支給されるのか分からず、収入が無い状態での生活に不安があったため、 家計の見直しや可能な範囲で節約をし、極力無駄な出費をしないように心がけました。
夫の育休取得で良かったこと、気づいたこと、感想など
里帰りはせずに、夫婦2人で育児をしたことで、子どもの生活リズムを整えることができました。
育休は次女の出産時と、私の職場復帰、長女・次女の保育園入園前の2回に分けて取得してもらいました。
次女が予定日より約1ヶ月早く生まれましたが、すぐに夫が育休を取得してくれたことで、入院中や退院後も長女の面倒を見てくれてとても安心しました。私の体を労わって家事もやってくれていたので、次女の育児に注力することができました。
2回目の育休時には、私の職場復帰と長女・次女の保育園入園に向けた準備をすることができました。
男性の育休取得率や質を上げるにはどうしたら良いか
出産後に育休を取得して育児をすることも大切ですが、初めて出産を経験する人にとっては出産直前と出産時が1番不安になると思います。
生まれる直前も夫に支えてもらえるように、妊婦と同様の産前休業を取得できたらもっと安心して出産に臨めると思います。
夫の育休取得を検討している女性へのメッセージ
育休を通して、2人で育児を行うことにより、夫婦がお互いに「私が父親だ」「私が母親だ」という、自覚を持つことができます。
また、育児に対して、夫婦それぞれの想いがあるため、育休中に2人で話し合える時間を作ることもできます。
2人で話し合い、子どもと共に暮らすプランを作り上げることができるため、里帰りすることも手段の一つですが、子どもが生まれてからの成長を2人で見守ることができるのはとても大切なことだと思います。
育児はとても大変なことだということを共感し合い、夫婦で話し合える時間を作ることも大切だと思うので、ぜひ前向きな気持ちで旦那様に相談してみてください。