アクション名
なりキリンママ・パパ
キリンホールディングス株式会社
アクションの概要
やったこと
『なりキリンママ・パパ研修』
〈研修概要〉
「育児」をしているというシチュエーション(介護・パートナーの病気も選択可)で1カ月間、時間の制約や突発事態への対応を模擬体験しながら業務との両立を図る体験型の研修です。
〈ルール〉
仮想前提条件:①子どもの年齢は2歳前後 ②配偶者とは同居 ③実家サポートなし ④フルタイム勤務
・基本NO残業
・制度をフル活用する
→フレックスタイム・在宅勤務など、会社の制度を正しく知り活用する
・突発的なお休み
→保育園などから突発的な連絡が入り、①終日休みや②出社後帰宅の対応をする
・配偶者サポート制度(研修上の仮想制度)
→週に1回は配偶者の力を借りて所定労働時間外の勤務(早朝・夜の残業)や業務上必要な飲食が可能
・ベビーシッター制度
→緊急事態の発生などでどうしても残業が発生してしまう場合は、1時間単位でベビーシッターが利用できる。
予め、住まいのエリアのベビーシッター代を調べて事前登録する
・なりキリン宣言
→ママ・パパになることを周りに宣言する
・なりキリンレポート(必須)・なりキリン日記(任意)
→労働生産性向上に向けて工夫した時短のコツや感想などを記録。研修終了後、「なりキリンレポート」を提出して
修了認定となる
〈目的〉
「ママ・パパの立場になってみる」ことだけが目的ではなく、多様な立場や働き方を理解して「誰もが働きやすい環境をつくる」「本人の働き方改革」「上司のマネジメント力向上」など、研修を通して個人・組織共にさまざまな成果が得られると考えています。
〈各部門での展開〉
・研修実施は部門長の判断により展開開始
・推奨している実施する人の優先順位
→①リーダーの方 ②将来リーダー職を目指す総合職社員 ③今後ライフイベントを迎える予定の方
〈参加状況〉
2021年4月までの期間で約500名が「なりキリンママ・パパ」に参加(参加割合:男性77%・女性23%/経営職36%・総合職64%)
変わったこと
〈労働生産性向上のために工夫して取り組んだこと〉
・資料を事前に見て効率を上げることに努め、時間を意識した会議運営を行う
・メンバー全体で業務負荷が偏らないように業務調整を行う
・中長期的に仕事のスケジュールを見える化し、余力のある時に先の仕事にも手を付けていた
・朝、少し早めに業務をスタートし、電話の無い時間に集中して作業を進めるよう心がけた
・なりキリン開始前に業務の棚卸を行い、どの業務にどれぐらい時間がかかっているかの把握を行った
・呼び出し連絡があった場合の業務フォロー依頼を、事前にチーム内メンバーに依頼をした
・不要なメールの洗い出しと廃止。紙でやり取りしていた2種類の業務を電子化
・参加会議の見直しを行い、2h/月の削減を行った
・チーム内で作業のマルチ化を進め急な休暇が発生してもフォローできる体制準備を進めた
(参考)
労働生産性向上のために工夫したことの上位は、1位:業務スケジュールの見直し、2位:チーム内での協力・協業、3位:会議時間の削減
〈変化が生じたこと・気づいたこと〉
●チームワークの向上
・メンバー間で気軽に依頼・支援し合う関係が広がってきたと感じる
・通常よりコミュニケーションは取れているが、それ以上に良いつながりができた
・メンバーへの権限移譲が推進できた
●働きがい改革の加速
・自身がリーダーとして早く帰宅することで他のメンバーも早く帰ろうという動機付けに影響したと思う
・働きがい改革を工場全体で進めていこうというムードが高まった
・今まで業務のスリム化を進めてきたが、まだ余地があることを痛感した
●業務スタイルの変化・気づき
・普段から自身の業務内容について共有する意識がついた
・『時間』からの『やれること』という視点で業務を進めることも、時と場合によって必要であることを改めて感じた
・いざという時を考えて、支援できる人の育成も検討しないといけないと感じた
・悩みがちな悪い癖があるが、即相談することで、生産性が上がった
・悩みながら仕事に取り組むよりも、次の日に心機一転して取り組んだほうが良い場合もある
〈創出できた時間でチャレンジしたこと〉
「違いを力に変える」ためには、個の多様性を広げることも重要です。
(家族との時間)
・娘と駅まで一緒に歩いて貴重な時間を取ることが出来た
・早く帰宅することで家事を手伝い喜んでもらえた
・家族との時間がもて、得意でなかった料理もチャレンジして外食が減りました
(自己啓発)
・書籍を2冊読んだ。有志活動の時間に注力することができた
・資格取得の勉強を新たに始めた
・経営リテラシー強化の勉強時間に充てることができた
(その他)
・習慣的なトレーニングや運動の時間を設けるようになった
・普段いかない量販店に行ってキリン社の商品の陳列状況など見て、売り場の作り方など営業の方々の努力を見ることが出来た。
ものづくりへのモチベーションアップになった